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COLUM BY HIROKAZU YOSHIDA.
建築家吉田裕一がお送りする不定期コラムです。


2017.10.10(tue)
現場の常識、非常識(自戒を込めて)〜建築時に於ける騒音について〜

(有)吉田建築研究所 吉田裕一

現在、拙宅の斜め向かいで注文住宅が新築中である。
建設会社は、年間かなりの棟数を扱う地元のハウジングメーカーで、コストの割には仕上げや断熱、構造など独自に取り込む姿勢がそれなりに評価されている。

この会社は建物全ての外壁にタイルを貼る事で知られているが、問題はその施工時、タイルを切る時の騒音である。
(基本、タイルは引っ掛けであるが、役物や、斜めの部分は現場加工が必要)

何と、搬入されたタイルを朝8:00から、3台のタイルカッター(旋盤みたいなもの)を道路側で一斉にカットし出したから、もうたまりません。
キーン、チーンと嫌な音が耳に突き刺さり、うるさいのなんのって!
一台でもうるさいのにかかわらず、その3倍、もう現場は石切り場状態。

暑さも和らいだ今日この頃、当然窓は開けています。TVの音も聞こえず、絶え間なく続く騒音(歯科のチーンに近い)に気分が悪くなる程。

さすがに、我慢できず職人さんに一言

ちょっとうるさいんだけど😤

〜はあ、そう言われても?

あまり、うるさいから警察呼ぶよ!

〜どうぞ

その前に建設会社に連絡するけど

〜どうぞ

少なくとも旋盤は一台づつにしてくれないかな

〜いやー、それは出来ない

じぁあ、電話します。

看板の電話番号を指し示して

〜ちょうど、雨降ってきたから、今日はやめっぺ

😤なんだお前ら、すいませんの一言もないのか、と言いたい事を堪えて、工事看板の◯◯◯工業のフリーダイヤルへ電話📞
愛想の悪いおばちゃん(なんか言葉に剣がある)が出て
〜申し訳ございません、後で担当から連絡させますと
…しかし、感じ悪さはさすがに電話でも…

程なくして、現場担当より電話があり、基本、何がいけないか理解できない様子。
だいたい、現場ですみませんの一言もないよ!
〜うちの職人がですか?
〜タイル施工会社へ連絡して善処します。

少し経ったあと、タイル施工会社の工務担当から電話があり、後で伺いますとのこと。
それから一時間もしない内にその工務担当が、菓子折りを持って謝罪に。

〜申し訳ございません、こればっかりは職人によりやり方が違うので…
〜迷惑掛けない様に気を付けますから、ご協力お願いします。
と低姿勢で平謝り。

まあ、それはいい
でも何をさておいて先ず来なければならないのは元請けの現場担当(監督)じゃないのかな?

ここでも建設業界の悪しき習慣、都合の悪い事は下請け任せが!横行している様だ。

工事現場、ある程度の騒音は致し方ない。
しかし、ここは住宅地。
やはり節度ある対応が必要だ。
見ると職人さんの1人は外国人。
訳もわからず、言われた事ばかりしているのだろう。
私が文句言っている間も、ひたすらタイルをカットしていた。
彼らは間違いなく難聴だろう。

規模の小さな住宅の現場には常駐の現場監督は付かない。
この会社の現場監督(担当)はせいぜい来て1ヶ月に一度。
それも、検査の時だけ。
周りの状況や現場の進捗を確認する事もなければ、指示もしない。
入れ替わり立ち替わり、様々な業種の職人が来て、自分達の仕事をしていくだけである。
1番長く関わる大工ですら、昔の棟梁と違い、建物全部を請け負う事はなく、割り当てられた仕事しかしない。

もちろん、ある程度の規模の会社だから、マニュアルがあるのだろう。
いちいち、誰かが指摘しなくても問題なく現場は進む。

ただ、建設地には個性がある。
小さい子供が住む所とか、車の往来が激しい所とか、その辺を柔軟に対応するのが現場を任された担当の仕事だ。

建築現場もあらゆる作業が、分業化されて来ている。
それにはコスト優先のしわ寄せがある。
当然、作り手側に愛着は無い。
悲しいが、現実である。

では、昔の棟梁式が良いかと言われると、それはそれで問題はある。

住宅建設に1番影響力があるのは行政である。国は間断なく様々なシステムを作り住宅建設を後押しして来た。
複雑なシステムを作り、天下りの外郭団体を増産し、大手優先の路線を引き続けて来た。
そして、そのつけが現在の状況とも言える。
ま、この件はまた、そのうちにでも。


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