マイスタープロジェクトは、『建築家』+『建築プロデューサー』が主体となり、多くの賛同者、協力者とともに『新しい住宅建築のあり方』を提案していくことを目標に設立されましたが、この度、運営上の問題から『建築プロデューサー』(株)デザインホーム(代表 濱田寿雄)がプロジェクトより脱退しました。自らその設立の中心であったにも関わらず、はっきりとした“けじめ”をつけない形での離脱はどのような理由があれ、無責任としか言いようがなく、まことに遺憾に思います。
なお、デザインホーム自体はその後独自の活動を続けていますが、当マイスタープロジェクト、及び(有)吉田建築研究所とは今後いっさいの関わりあいはなくなりました。
『建築ジャーナル』という雑誌において、建築プロデューサーという役割の問題点を“その存在そのものがけっして潤滑油にならず、むしろフィルターとなってしまうことが多く、施主⇔建築家という濃密な関係の挟雑物になってしまう危険性は否定できない”等の指摘がありましたが、私(吉田裕一/建築家)もその考え方に同感です。
現在の住宅産業界は、ハウスメーカーを中心とする『都会的であるが画一的なプランによる建物』か、地方工務店による『堅牢ではあるがセンスに欠ける建物』に2分されていると言っても過言ではありません。建築家による設計・監理の住宅は、残念ながらそのシェアの1%にもなりません。
振り返ってみれば、ほぼ1年前、私自身も『斬新でありながら、けっして住まいの本質を忘れない,こだわりの住宅』を創り出したいという思いのもと、このプロジェクトを始めました。しかし、今となってみれば、センスや考え方の異なる人間がいなくなって、施主との関係がよりダイレクトで、見通しが良くなり、むしろ当初の目標を達成しやすい環境になったのではないかと思います。また工事過程においても、全てにおいて自分自身の肌で感じることが出来、より責任のある、モレのない建物を創ることが出来ると確信する様になりました。
全てを本音で話せる新しい関係こそ、このプロジェクトの目標とするところです。どうか今後共、新しい『MEISTER PROJECT』を宜しくお願いします。謹白 MEISTER PROJECT〜ARCHITECT DESIGN〜 Designed by yoshida architect & associates
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