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COLUM BY HIROKAZU YOSHIDA.
建築家吉田裕一がお送りする不定期コラムです。


2004.2.25 (wed)
私の設計手法とマイスタープロジェクトのこと
●やっぱり間取りが1番!

大学を出てから、初めに勤めたところが大手住宅会社だったこともあり、独立してからも、なんらかの形でハウスメーカーとの関わり合いを少なからず保ってこざるをえませんでした。

それは、ある意味、経営的な面もあったし、常に最新の情報がもたらされる、という利点もあったからです。三つ子の魂百までもじゃないけれど、最初に刷り込まれた知識は自分の頭の中では常識と化してしまっているところがあって、それが私の設計手法を形づくっている(あるいはトラウマ)のような気がします。

いわゆる箱物型の設計を主体とする設計事務所出身の建築家の人達とは、自ら、発想の根本が少し違っているようです(どちらが良いか悪いかは別ですが)。

ハウスメーカーの功罪は、そのうち本にでもまとめてみたい、と常に思っているぐらい多いのですが、とりあえず、罪(ざい)に目をつむって、功の方に目を向けると、ひとつはなんと言っても、圧倒的ともいえるほどノウハウの蓄積の多さにあると思います。(そうでないメーカーもありますが)

昔ならお抱え大工に任せていたものを、全てマニュアルに置き換えなければ次代に継承することは出来ないからです。担当者はいつか転勤してしまうし、そのうち、誰も自分の家に関わった人はいなくなる、なんてことにもなりかねません。

それから不動産情報じゃないけれど、間取りの見本市みたいなところも功と考えてもいいかも知れません。あれって実際は全然訳には立たないのだけど、お客様(いやな言葉だけど)にはそれなりに喜ばれる。いわゆる普通のクライアントは結構好きみたいで、住宅展示場のモデルハウスは、内装やコストを無視した造作とかで、かなりごまかされてしまうけれど、間取りに関してはさすがにそうはいきません。

自分の要望と照らし合わせることが簡単にできるものだから(逆に言うとどこかで常に普通的なものを用意しておかなければならない羽目になっている)、ハウスメーカーの設計の力量が割にあっさりと判ってしまう、という皮肉なことになってしまっています。冒頭に刷り込みと言ったけれど、私の場合、どうしてもそういう観点で他人の間取りを見る癖があって、ああ、この人は住宅のプロだなあとか、なんだキッチンセットの奥行きも良く知らないのか、なんて思ってしまったりすることもあります。

そう、私だったらこうするけどって、つい赤ペンで上からなぞったりしてしまったりすることもよくあるのです。ただ、これはとても大事なことですが、間取り(2次元、3次元も含めた意味で、あるいはプランと言った方が良いかも)には、それ自体、造形としての美しさがあるということです。推敲に推敲を重ねた間取りは、どんどんシンプルになっていくのが普通ですが、どこかに異次元的な要素を与えられると、まるで生き物のように動きが出てきます。逆に、たった一つの場違いはデザインによって、全体から急に輝きをなくしてしまう、なんてことは日常茶飯事に起こります。ただ、それを見抜ける眼を持っているかいないかで、その人のセンスが決まると言っても過言ではないのです。不思議なことに、生き生きとした間取りは、あっという間に3次元の空間になり、立体としての空気感、そして生活感まで醸し出します。私が住宅設計をしていて最も楽しいと思うところはまさにこの瞬間です。

そう間取りが一番!
住宅設計はなんと言ってもこれにつきると思います。もちろん、ロケーション、空間構成もとても大切なことで、内と外、そして、社会性も決して欠くことは出来ないのは言うまでもありません。

●マイスタープロジェクトについて

長い間、関わり合いを続けてきたハウスメーカーとは、最近やっと袂を分かつことが出来ました。それは、住宅を創り上げる考え方に、根本的な違和感を覚えたからです。

そして、同様な考えを持つ友人の建築プロデューサー(株式会社デザインホーム・代表・濱田寿雄)、と2人3脚で立ち上げたマイスタープロジェクトを本格的な軌道に乗せること、それが私の当面の目標となりました。

マイスタープロジェクトとは、ありていに言うとオープンシステムの分業化、ということになります。分業化と言っても、顧客管理、工程管理を主体とする金銭面を含めたマネージメントを、建築プロデューサーが担当して、使い勝手とか、デザイン一般、あるいは監理、指導、助言、といった実際の建築に関する部分を建築家(つまり私)が担当する方法のことで、そのメリットは、お互いの足りないところを補い合うことができる、と言う点にあります。

いわゆるオープンシステムとの決定的な違いはここにあります。一人でやっていると、どうしても一方に片寄ってしてしまうところが出てきてしまったりするけれど、専門部分の違う目を通して、お互いにある意味、客観的に見ることができるので、妙に特化したヘンテコなもの(一部中小ハウスメーカーに多い)が出来たりしないという利点があります。又、このプロジェクトの特徴は全て原価オープン、原則、業者固定というのが基本で、私たち(カぺルマイスター)と施工担当(マイスター)がお互いの修練度を高め合いながら常に良いものだけを供給するという理念に燃えることです。

つまり、元請、下請ではなく、横のレベルで連結していることができることです。(別紙概念図参照

現在2/21オープンの1号棟(新富谷現代和の家)、3月初旬完成の2号棟(愛の杜北欧パインの家)4月中旬完成予定の3号棟(ホームギャラリ―のある家)そして4月着工予定の蔵王の別荘の計画と多種彩々です。各々の建物は、それぞれモデルハウス的要素を多く含んだオープンハウスとして、2〜3ヶ月間見学が可能です。妥協を許さないデザイン手法と、施工監理でつくり上げられた、新しい住宅建築の流れを、多くの人に感じ取れるような仕上がりを目指しています。

下請けに甘んじない、自らが主体となる、職人たちの顔の見えるガラス貼の家づくり、をキーワードとしている私たちの手法が、ここ宮城の地でどこまで受け入れられるか、又、それはなおかつ、私自身のブランドであり、家づくりの設計手法、そしてデザインといったものを、あらためて世に問うきっかけにもなっています。

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