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COLUM BY HIROKAZU YOSHIDA.
建築家吉田裕一がお送りする不定期コラムです。


2020.01.31(fri)
第三種換気の給気を通気層から取ってOKか?

(有)吉田建築研究所 吉田裕一



久しぶりのコラムですが、今回は少し技術的な話です。
昨今、デザイン重視から第三種換気の給気を通気層から取ると、という施工が散見されます。

余談ですが24時間換気については
大手ハウスメーカーは第一種
設計事務所は第三種
地域ビルダー、中小工務店はどちらも採用
と別れている様です。

シックハウスという言葉自体すでに死語という気もしますが、建築基準法で規定されている以上何等かの換気計画をしなければならないのは仕方ありません。

ところで今回の議題については
2012年に新木造住宅技術研究協議会の斎藤さん(故人)から、ある意味結論が出ていますので、まずそれを紹介します。


「第三種換気の給気を通気層から取る件」

2012/12/13
20 数年前に、弊社を含め、新住協の古参メンバーの数社がやってみましたが
1-2 年で、「原則禁止」となりました。
気密性能C 値=1.0cm2/u以下の小規模住宅の場合
第三種換気が連続運転していて、窓・ドアなどの開口部が閉鎖されていれば
給気口からは常時外気が導入されるので、問題は起りません。
しかし、玄関ドアや窓などの開口部が空いた瞬間から、
給気口からの外気導入は無くなり、全て、その開口から給気されます。
このとき、2 階にある給気口は、外気が入ってこないだけでなく
外気より高温で比重の軽い室内空気が、
その浮力により給気口から自然排気されます。
外気より多量の水蒸気を含んだ室内空気が通気層に漏れ出すので
通気層内に表面結露が発生します。
窯業系サイディングなど、凍害を受けやすい外装材の場合
給気口裏側から、その上部にかけて、凍害が発生します。
20 数年前に、その凍害を経験したので、「原則禁止」となりました。
原則禁止」と申上げたのは
外装材が凍害を受けない金属系サイディングなどの場合は、
通気層から給気しても、通気層内結露が起きても
障害が起きる可能性が低いので
「やむを得ない事情がある場合に限り」という範囲で
通気層からの給気もありえるだろうということです。
第三種換気の給気を通気層から取る工法は、採用されないことを
強く推奨いたします。

NPO法人 新木造住宅技術研究協議会 会員
勇和建設株式会社 齋藤 保雄
北海道札幌市東区北23 条東1 丁目2 番14 号 011-721-7940


私もこの考え方に賛成ですが、他に問題点は2つあります。

一つは、直射日光が当たる南面や西面の外壁裏の通気層ですが、特に夏場は50度から60度近くまで上昇します。つまりこの面の通気層につけた給気口からは外気温より高い熱風が流入するということになります。

もう一つはGL+1000に塗布した防蟻剤が通気層を通って給気口から流れ込むという問題です。いくら体に害のない薬剤を使ったとしても本来外部にあるべき薬剤からの影響は全くないとは言い切れません。

ちなみにメリットは外観がスッキリする、防水計画が簡単などがあげられますが、単なるデザイン重視ということなら、この考え方はNGと思われます。


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