(有)吉田建築研究所 吉田裕一 住宅を中心に30年以上建築の世界に身を置いてきたけれど、いまだよくわからないのが独自の発展をしてきた建築用語です。 設計分野は言うに及ばず特に現場分野では、地域や職種によって微妙に異なり、知って当たり前(一人前)知らなきゃ素人なんて考えはざらのようです。 最近はウィキペディアで調べればすぐわかるのでだいぶ標準語に近くなったのかなとは思いますが、この業界用語、昔は恥ずかしくて聞けなかったが、最近は結構気楽にそれどういう意味ですか?って聞くことにしています。 でも、いわゆる素人(クライアント=施主)に平気で使う人が多いのは考え物です。 また、一緒に勉強しましょう、などと言う考え方も疑問です。 さらに、差別化を図るためわざわざ独自の単語に置き換える会社(メーカー)もありますが、いったい何を考えているのか理解不可能です。 以下最近知った常識の用語や、過去に知らずに覚えてしまった用語や常識をランダムに並べてみます。
・ヘルメットの色 これは恥ずかしくも本当に最近知りました。 白 建築関係 黄色 電気関係 青(水色)給排水(水道)関係 緑 外構屋、ガス屋、エコ関係? ・ヘルメットのライン(最近あまりお目にかかりません) 無印 一般作業員 一本線 現場担当主任、工事班長、大工棟梁格の役職者 二本線 現場監理、監督、施工管理者などの工事監理資格者 三本線 施工会社の重役さん その他ゼネコンによっては自社で独自決めているところもあるようです。 個人的な希望としては、設計者(建築家)に独自のヘルメットがあるといいなと思います。 その場合銀色なんてメタルぽくってどうでしょう?
・ユンボ あまりにも初期問題です。 建築用語ではバックホー、土木ではパワーショベルと言うらしいです。 ちなみにユンボはフランスの製品名とのこと。
・ユニック トラック型クレーンのこと その他ラフター、レッカー、クレーンとあり混合はなはだしいがみんな適当に使っています。 ・ふかす 仕上げ面を前に出すという意味。 うーん就職して最初にぶつかった用語です。 古今東西日本ではもっとも使われている用語でしょう。ふけるとかふけてる、などとも使います。 納まり上ふけてしまった壁のことを一生懸命施主に説明している現場監督を見ると少し滑稽に見えますが、一般人にはわからない用語です。
・かしら いわゆる頭のことですが、関東あたりでは木造住宅の建方をする職人のことを言っていました。本職は農家?で農繁期以外は土建屋?(基礎、擁壁などを造る)だったと覚えています。 棟上げはかしらが中心で大工はその補佐と言う考えだったようですが、今はプレカットが中心で、なおかつレッカー(クレーン)を使うので、出番がないかも、でも最近木造でも建方大工と言う職種も確立されて、造作大工との棲み分けが進みつつあるのは少し情けないとも思います。
・番付 木造の墨付け基準、いろは歌が使われます。 RCや鉄骨ではX,Yあるいはアルファベットと数字が使われます。 2×4も輸入住宅なのでX,Yです。 ちなみにプレカットもいろはが多いようですが、最近の若い大工さんが番付板を書けるかどうかは疑問です。
・地頭(じがしら) 配置基準点のことらしい。 某住宅メーカーが頻繁に使うようだが、いまだに他の現場で同じ用語に出会ったことがないので、独自に発展した用語と思われます。
・TBMとKBM レベルの基準高さ、もともとは測量用語 TBM temporary bench mark ベンチマークからさらに仮に基準高を移したポイント KBM のKは仮(KARI)のKらしい(ローマ字か?) いあ、なんだか良く分からなくなってきました。
・猫(ねこ) 手押し車、または一輪車のこと・・・最近聞かなくなったなあ
・蛸(たこ、タコ) ランマ―(つき棒)のこと・・・うーんこれも最近聞かないなあ
・トラロープ 黄色と黒の縞々のロープ(虎の模様) 保安用品、立ち入り禁止の時に使います。 ちょっと簡単すぎました。建築用語でもないようですし。
・法面(のりめん) 切土や盛り土によって作られる人工的な斜面のこと。 のりで納めるとかよく言います。これも素人には分からない言葉です。
・峠(とうげ) 昔、木造の住宅の伏図を外注したら、伏図に記入されていました。 峠(とうげ)はいわゆる棟の位置を指す。ま、その通り確かに分水嶺です。 ただ、現場で大工にこれはどういう意味ですか?って聞かれました。
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