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COLUM BY HIROKAZU YOSHIDA.
建築家吉田裕一がお送りする不定期コラムです。


2010.07.02(fri)
仙台国際音楽コンクール雑感

(有)吉田建築研究所 吉田裕一

2010年6月27日(日)ピアノ部門の上位入賞者によるガラコンサートを最後に、第4回仙台国際音楽コンクールのすべての日程が終了した。

3年に一度のこの催しは、毎年行われる仙台クラッシクフェスティバル(通称せんくら)と並ぶ、楽都仙台の代表的な音楽祭です。

世間的には定禅寺ストリートジャズフェスティバルのほうが有名ですが、自然発生的な雰囲気のジャズフェスとは違い、こちらは行政が音頭をとっているのが大きな違い。浜コン(浜松国際音楽コンクール)などと違って、有力なスポンサーがない現状と、コンクールの前身が1995年に仙台市で開かれた「第2回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」であることも考えると、ある意味しょうがないと思いますが、その分いくぶん堅苦しい感じを与えてしまうことも事実です。(クラッシクの悪い癖みたいなもの)

しかしながら、音楽祭運営のためのボランティアや、世界各国からホームステイを受け入れるホストファミリーの存在には、ただただ脱帽です。

さて、前置きが長くなりましたが、最近仕事量が激減とは言え、日時何かに追われる身、参加者すべての演奏を聴くことは所詮無理な話で、ヴァイオリンはほとんど聴く機会がとれませんでした。しかし幸いなことにピアノはセミファイナルで12人中6人、ファイナルでは6人中5人の演奏を聴くことが出来ました。

ファイナルでの演奏の感想と過去の受賞歴、オンデマンドで配信された演奏などを考慮して私なりの順位(1位マシチェワ2位ブルジェヴァルスカヤ、3位佐藤彦大、4位クワン・イ、5位ホロデンコ、6位ムン・ジオン)を想定したら、なんと、唯一聞きそびれた、ロシアのヴァディム・ホロデンコが優勝、1位と思った2009年ロン・ティボーで最高位(1位なしの2位)のマリア・マシチェワ(ロシア)が2位、3位はブラームスを熱演したマリアンナ・ブルジェヴァルスカヤ(スペイン)でしたが、審査員長を務める野島稔の秘蔵っ子、佐藤彦大(日本)も同率?で3位になったのは、私の予想が当たったことより、・・・・やっぱりなあ、という感じでした。まあ、でも彦大(ひろおと読む)君悪くなかったです。

セミファイナルでベートーヴェンの1番を爆奏した、アメリカのクワン・イが、ファイナルではシューマンの選曲ミスでまさかの6位と沈んでしまったのが予想外。でも5位のミスタッチばっかりの韓国のムン・ジオンはオケも練習不足か、ずれまくり、こんな難曲を1、2時間の練習で披露することはそれ自体が問題・・とも思いましたが、まあこれも一種の選曲ミスと取れないこともないかな。とは言え女性のわりにはダイナミックな弾き方が評価されたのだと思います。

しかし、優勝候補と思われた、前述の「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」の2人の覇者、ユリア・チャプリナ(ロシア)・・・2004年の倉敷、ファン・ナンソン(中国)・・・2009年の水原、が2人ともファイナルに進めなかったのはがっかり。まあ、たしかに少しおとなしい演奏だったような気がしますが、将来性にどの程度目を向けたかで判断の基準は変わると思います。それでも、20歳以下に贈られる審査員特別賞が16歳のナンソンになったのは良かったことです・・・・というか他にはいなかったけど。

なんといっても仙台国際の場合は、記念すべき第1回大会で第3位と審査員特別賞に輝いた、中国のユジャ・ワン(審査当時は16歳でなぜかワン・ユーチィアと言っていた)は現在活目のピアニストであり、選ばれたアーティストのその後の活躍でそのコンクールの質が判断されるこの世界において、唯一名を上げている結果になっています。

ちなみに仙台における「第2回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」では1位がラン・ラン、2位がその後モスクワのチャイコフスキー・コンクールで日本人初のピアノ部門優勝の上原彩子であることも特筆すべきことではあります。

最近は仙台も含めほとんどのコンクールはインターネットでの映像、音楽配信(ストリーミング配信)が楽しめるようなってきていて、浜コンや、あの辻井伸行が優勝したヴァン・クライバーンコンクールなども、会場に行かなくても参加者の演奏を聴くことが出来るようになっています。ただなぜか仙台は1日遅れの配信で、それも劣悪の画像(音はまあまあですが)は興ざめです。ちなみに浜コンはライブ配信だったので、画質が少々悪くても緊張感抜群でした。そう、オンデマンドでしか観なかったホロデンコは「詩的な感性」と野島稔が評したのとは少し違って、きわめて冷静な演奏、悪く言うと盛りあがりにかける演奏に思えました。

その点、2位のマシチェワはきらめく感性、堅実なテクニックと色彩感豊かな音楽性がすばらしいと思いました。ただ、プロコフィエフという選曲は素人受けしないので、いいのか、悪いのか分かりづらいことも事実。いっそ、ロン・ティボーのファイナルのラヴェルでも弾いてくれればよかったのにと思いましたが、もう1曲の演奏予定はサン・サーンスとこれも微妙な選曲。でも小柄でおかっぱの黒髪の彼女は、セミファイナルまで行った、チャプリナ(なんと、ロシアではピアノのシャラポアと呼ばれているそうです)と、中国のワン・ミミ・ジェアと並んで、スタイルも良く、美人さんでした。

それから演奏と一緒に楽しめたのは演奏者が自分で選ぶピアノです。

ほとんどは当然のように、スタインウェイでしたが、韓国や中国人はヤマハを選択、そして少数はベーゼンドルファーとカワイ、なかでも第3位になったスペインのブルジェヴァルスカヤがカワイを操りきらびやかで豊かな音量を出していたのには驚かされました。

普段の演奏会や、録音においてもほとんどお目にかからないカワイですが、ショパン・コンクールで結構な人がカワイを選んでいるという事実はあながち間違いではないと思えました。

ヴァイオリン部門は、予備予選と予選の一部しか直接聴いていないのであまり触れませんが、日本人最高位の3位になった長尾春花は第3回大会では6位、2008年のロン・ティボー国際のヴァイオリン部門では5位と着実に伸びてきている逸材です。なお、この年のロン・ティボーのヴァイオリン部門で優勝した韓国のシン-ヒョンスは美貌のヴァイオリニストです。諏訪内晶子の例をあげるまでもなく天から二物を与えられた者こそ、新の世界王者になりうる可能性を秘めていると言っても過言ではありません。美人さんのマシチェワもいい線いくと思うけど、いかんせん優勝でないのが・・・・・

ところで総じて仙台フィルは大健闘!パスカル・ヴェロはいまだに聴いたことがないけれど、山下一史は懐の深いむせ返るような演奏が得意、ピアニストとの丁々発止が時として爆裂演奏になったケースが多々あった。

・・・・・・うーん、でもモーツァルトのコンチェルトはやっぱり難しい、の一言です。

さて10月には5年に一度のショパン・コンクールが始まります。

今回はストリーミング配信を頼りに順位予想は楽しいでしょう。

そういえば3位入賞のブルジェヴァルスカが予備予選通過名簿に載っていました。

・・・・彼女頑張るなあ。

浜コンの覇者、チョ・ソンジンとか、今回のファン・ナンソンとか、はたまた辻井伸行とか若者が挑戦していないのはさびしい限りです。

あのブーニンはロン・ティボーを征し、ショパコンでも圧倒的1位でした。

ところで世界3大ピアノコンクールはショパンと、チャイコフスキー、そしてエリーザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)を指すらしく、リーズ国際、ロン・ティボーと続くようです。

ヴァン・クライバーンコンクールはジーナ・バッカウアー国際とならんでアメリカ3大ピアノコンクールに過ぎません。

これは先ほども述べたように、入賞者の後の活躍如何で左右されます。

音楽の世界(特にクラシックですが)は産、官、学、民と強固なピラミッド制、世界のどこかで毎日コンクールが開かれている状況、そして、その頂点は一握り、何という道楽でしょう。

われわれ建築、そして設計界も限りないピラミッド制ですが、基本は道楽ではないことが音楽とは大きな違いになるのでしょうか。でもやっていることの若干でもいいから道楽みたいなところがあるのが、音楽と一緒で楽しいといえば楽しいですが・・・・

瞬間(一発)芸術と構築的芸術との違いは有るにせよ、プランがひらめいた時の瞬間はまさしく一発芸に近いと思います。

以上、最後は少しとりとめなくなりましたがこれで終わります。

なお、仙台国際音楽コンクールは下記のHPより
http://www.simc.jp/index_j.html

ピアノ部門の審査結果は以下で見ることができます。
http://www.simc.jp/2010/result/piano.html#result


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